半年がかりで、乳がん後の乳輪・乳頭再生に取り組んできたM様。
やっとお写真がご紹介できるようになりました。
約8年前、M様(現在50代)は乳ガンで右の乳房を切除されました。
しばらくは再建せず過ごされたのち、約2年前に、腹部からお肉を移植し、乳房再建をしました。
この時点では、胸のふくらみのみで、乳頭部分はありません。
乳輪・乳頭再建前
木の葉の形のように、皮膚の色が少し違うのが、腹部から移植したお肉と皮膚です。
切除してしまった胸を再建する方法はシリコンなどいろいろありますが、お腹から持ってくるのもよくある手術法なんですよ。
胸のふくらみがあるだけでも、充分だという考えもあります。
M様も当初はそう考えていたそうです。
かかりつけの大学病院の先生の紹介で、当クリニックに乳輪を作りに来てくださいました。
乳輪の形、色などについていろいろご相談させて頂いたあと、片側の乳輪に合わせて形をマーキングします。(形は自然にみせるため、わざといびつにしています)
1回目のアートメイク直後。施術の刺激で赤くなりますが大丈夫!
施術から1ヶ月後。こんなに薄くなり、色も片側に似てきました。
アートメイクは2回したあと、大学病院での乳頭再建となりました。
乳頭再建(いわゆる先っぽをつくる手術です)は健側の乳頭を半分移植します。
乳頭再建の手術後は、しばらくドーナツ状のスポンジ(クッション)のようなもをつけて、乳頭が潰れないように過ごさないといけなかったそうです。
でも手術自体はあっという間だったそうですよ。
乳頭再建手術後、3ヶ月が経過(クッションの跡が残ってますが)
乳頭移植のキズ跡もなく、とてもキレイです。
アートメイクでつくった乳輪もとても自然です。
この後せっかくなので、薄くなって少し小さくなった乳輪を、最後に少しだけ色足しをして大きさを調整しました。
なにもなかった乳房に、今では自然な乳輪乳頭がある。
本当に感動です。
乳房に大きなキズ跡はありますが、「本来あるべき場所にそれがある」という事は、「調和」がとれて安心を生みます。
人に見せる部分でなくても、嬉しい事ですね。
今後、アートメイクで入れた乳輪は薄くなることはありますが、眉よりは代謝が遅いと思うので、色持ちもいいでしょう。
M様、遠方から何度も足を運んで頂き、ありがとうございました!
乳頭再建をご検討の方、ぜひ参考になさってくださいね。